2025年度当初予算
74.7億円
2024年度執行: 96.0億円
事業の目的
二酸化炭素回収・貯留(CCS)は、2050年のカーボンニュートラルの達成に向けて鍵となる技術であり、北海道苫小牧市における大規模実証、CO2長距離輸送技術開発、安全かつ低コストなCO2貯留技術の研究開発等を通して、CCSの事業化に必要な技術の開発・実証を行うことを目的とします。また、CCSの更なる低コスト化、CO2輸送手段の確立等の課題を解決するとともに、CCSの計画的かつ合理的な実施を可能とすることで、CCS事業の健全な発展を図り、我が国の経済及び産業の発展を目指します。更に、日本のCCS技術をアジア地域をはじめとする海外に展開するため、国内外のCCS技術の動向調査や規格化の先導を行い、国内企業による海外市場の確保を図ります。
現状・課題
CCSは世界各国で政策導入に向けた動きが活発化しており、世界的には2024年に新たなCCSプロジェクトが230件増加したことで、CCSプロジェクトの総数は620件を上回りました。日本国内でも、2025年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画において、「CCUSは、鉄、セメント、化学、石油精製等の脱炭素化が難しい分野や発電所等で発生したCO₂を地中貯留・有効利用することで、電化や水素等を活用した非化石転換では脱炭素化が難しい分野において脱炭素化を実現できるため、エネルギー安定供給、経済成長、脱炭素の同時実現に不可欠」と位置づけられており、技術開発を通してコスト低減や安全性・効率性・継続性といった課題の解決を目指します。
事業の概要
2050年カーボンニュートラル実現に向け、CCSの事業化を図るため、以下の事業を実施します。/(1)苫小牧におけるCCS大規模実証試験:CCS大規模実証試験において、CO2の海底下貯留の許認可を規定する海洋汚染防止法を遵守すべく、引き続き圧入したCO2分布の分析及び海域の状況等を監視(モニタリング)します。/(2) CO2船舶輸送に関する技術開発および実証試験:世界に先駆け、船舶による液化CO2の長距離輸送の実証をします。/(3)安全なCCS実施のためのCO2貯留技術の研究開発:CO2貯留技術に関する安全性を担保した、低コストかつ実用規模の安全管理技術の確立を目指した研究開発を実施します。/(4)CCS国際連携事業等:二酸化炭素回収・貯留(CCS)のバイ・マルチ協力、国際動向調査およびISO規格化の対応を行います。
| 年度 | 当初予算 | 執行額 |
|---|---|---|
| 2025年度(当年度) | 74.7億円 | - |
| 2024年度 | 86.5億円 | 96.0億円 |
| 2023年度 | 80.0億円 | 80.0億円 |
お金の流れ(ノード図)
下流支出・再委託・配分先は、直接支出先を経由した流れです。直接支出額と単純合算しないでください。
費目データのあるノード(●印)をクリックすると内訳を確認できます
行政事業レビュー推進チームの所見
効率的かつ適正に執行されていると考えられるため、引き続き取り組むこと
事業所管部局による点検・改善
CCSの普及促進にあたっては、技術開発の不十分さ、CO2漏洩への懸念などによる社会的受容性の低さ、そしてコストの高さなど、様々な課題が存在している。本事業では、低コストでCO2を長距離・大量輸送する技術を確立するため、2024年より実証船を用いた輸送実証を開始したところであり、本実証により得られた成果がCCSのコスト低減に繋がることが期待される。また、苫小牧基地における貯留およびその後のモニタリングの実施、地元への説明活動などを通じて、CCS事業の安全性と社会的受容性の向上に貢献している。さらに、本事業の成果がニュース等で取り上げられることにより、CCSおよび本事業の認知度向上にも寄与している。設定したアクティビティは本事業における課題解決や成果への期待を反映したものであり、適切であると評価される。アクティビティ①~④に関しては、短期・長期ともに測定指標が順調に推移しており、CCSの普及促進に向けた技術開発や、CCS理解促進のための情報発信などが着実に進められていると判断される。
改善の方向性
CCSの社会実証に向けては、低コストかつ高効率なCO2輸送システムの確立が求められている。液化CO2を高流速で液送する際には、ドライアイス化などの不具合が発生する可能性があり、これらの不具合の発生要因を解明するための実証試験が必要である。今後は、実証内容の見直しを随時行い、実証試験を効率的に行えるようオペレーション等の改善を目指すとともに、必要に応じて成果に繋がるものに絞って実施する方針である。
所見を踏まえた改善点・反映状況
引き続き適切な執行に取り組む。
苫小牧におけるCCUS大規模実証試験において、年間約10万トン規模でのCO₂分離・回収・圧入設備の運転技術の確立、累計30万トンのCO₂圧入の達成、モニタリング技術の確立、研究成果の対外発信を実施する。
測定指標:成果の対外発信回数[単位: 回]
| 年度 | 目標値 | 実績値 | 達成率 |
|---|---|---|---|
| 2024年度 | 2.0 |
費目・使途はCSV5-3由来の補足情報です。金額は契約内の支出の内訳であり、上記の2024年度執行額(CSV2)とは集計対象・範囲が異なります。事業全体の執行額の計算には使用しないでください。
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
プロジェクト管理等
| 費目 | 金額 |
|---|---|
| 船舶輸送に関する技術開発及び実証試験、液化CO2輸送技術の事業化に関する調査に関する業務委託 | 50.1億円 |
| 苫小牧における大規模実証試験にかかる研究開発に関する業務委託 | 25.5億円 |
| 安全なCCS実施のためのCO2貯留技術の研究開発に関する業務委託 |
本データは内閣府「行政事業レビュー」公開CSVから抽出・整理したものです。 金額は記載値(円)を百万円に換算して表示しています。支出先情報は主に2024年度実績支出として表示し、上位30件を表示しています。
| 2022年度 | 82.3億円 | 107.3億円 |
| 2021年度 | 60.3億円 | 43.4億円 |
執行率は当初予算ではなく、歳出予算現額合計を分母として算出しています。
| 会計区分 | 当初予算 |
|---|---|
| 特別会計 | 74.7億円 |
支出先詳細
下流支出・再委託先は直接支出先を経由した流れです
「配分先」ブロックの金額は直接支出先がさらに配分・再委託したものです。直接支出額と単純合算すると二重計上になります。
(研)新エネルギー・産業技術総合開発機構
96.0億円交付金執行団体
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
日本CCS調査株式会社ほか
50.1億円船舶輸送に関する技術開発及び実証試験、液化CO2輸送技術の事業化に関する調査
日本CCS調査株式会社
日本ガスライン株式会社
伊藤忠商事株式会社
一般財団法人エンジニアリング協会
日本CCS調査株式会社
25.5億円苫小牧における大規模実証試験に係る研究開発
日本CCS調査株式会社
株式会社地球科学総合研究所ほか
二酸化炭素地中貯留技術研究組合
12.5億円安全なCCS実施のためのCO2貯留技術の研究開発
二酸化炭素地中貯留技術研究組合
国立研究開発法人産業技術総合研究所
公益財団法人地球環境産業技術研究機構
1.4億円CCUS普及に向けた国際機関等との連携・調査
公益財団法人地球環境産業技術研究機構
| 100.0 |
| 2025年度 | 2.0 | - | - |
| 2026年度 | 2.0 | - | - |
本試験により確立された貯留・モニタリング技術等の成果をCCS事業の本格実施に向けた環境整備(コスト低減、国民理解、法整備等)につなげ、2030年までに年間貯留量600~ 1,200万tの確保に目処を付ける。
測定指標:CCS事業開始に向けた環境整備
定量的な目標値・実績値は確認できません
2050年時点で年間約1.2~2.4億tのCO₂貯留を達成する。
測定指標:CO₂貯留の達成(1.2~2.4 億 t /年)[単位: 億 t /年]
| 年度 | 目標値 | 実績値 | 達成率 |
|---|---|---|---|
| 2050年度 | 1.0 | - | - |
開発したCO₂貯留技術・手法に係る研究成果及び国内外の技術開発状況を、フォーラム等の開催という形で広く社会に情報発信し、我が国のCCS技術の発展・CCSの理解促進に資する。
測定指標:CCSの国民理解の促進を目的とした、テクニカルワークショップとCCSフォーラムの開催回数[単位: 回]
| 年度 | 目標値 | 実績値 | 達成率 |
|---|---|---|---|
| 2024年度 | 40.0 | 48.0 | 120.0 |
| 2025年度 | 30.0 | - | - |
| 2026年度 | 30.0 | - | - |
本研究開発により確立されたCO₂安全貯留技術に係わる成果をCCS事業の本格実施に向けた環境整備(コスト低減、海外CCS推進、法整備等)につなげ、2030年までに年間貯留量600~ 1,200万tの確保に目処を付ける。
測定指標:CCS事業開始に向けた環境整備
定量的な目標値・実績値は確認できません
CO₂船舶輸送の技術開発、実証をおこなうため、液化CO₂船舶、及びCO₂液化、払出し、受入れ設備の一貫システムを検討建設し、液化CO₂輸送実証試験を実施して、CO₂輸送に係る基盤技術の確立を図る。
測定指標:CO2船舶輸送実証におけるCO2輸送、地上設備の運転並びに評価の実施回数[単位: 回]
| 年度 | 目標値 | 実績値 | 達成率 |
|---|---|---|---|
| 2023年度 | 15.0 | 15.0 | 100.0 |
| 2024年度 | 2.0 | 2.0 | 100.0 |
| 2025年度 | 2.0 | - | - |
| 2026年度 | 3.0 | - | - |
本試験により確立されたCO₂の船舶輸送技術に係わる成果をCCS事業の本格実施に向けた環境整備(コスト低減、法整備等)につなげ2030年までに年間貯留量600~1,200万tの確保に目処を付ける。
測定指標:CCS事業開始に向けた環境整備
定量的な目標値・実績値は確認できません
我が国が今後CCS事業を展開するうえで、国際競争上不利にならない国際標準の整備・策定に向け、国際会議等の場における情報収集、発信等を行う。
測定指標:国際会議やCCUSに関わるISO規格の整備に係る検討会等への参画回数[単位: 回]
| 年度 | 目標値 | 実績値 | 達成率 |
|---|---|---|---|
| 2024年度 | 40.0 | 41.0 | 102.5 |
| 2025年度 | 40.0 | - | - |
| 2026年度 | 40.0 | - | - |
本調査により構築・確立されたCCUS関連機関とのネットワーク、ISO規格等をCCS事業の本格実施に向けた環境整備(海外CCS 推進、法整備等)につなげ、2030年までに年間貯留量600~1,200万tの確保に目処を付ける。
測定指標:CCS事業開始に向けた環境整備
定量的な目標値・実績値は確認できません
製油所から排出されるガスからCO2(年間10万トン規模)を分離・回収し、地中(地下1,000m以深)に貯留するCCS実証試験を実施する。
測定指標:目標圧入量(累計30万トン)の達成、モニタリング試験の実施回数[単位: 回]
| 年度 | 目標値 | 実績値 | 達成率 |
|---|---|---|---|
| 2024年度 | 2.0 | 2.0 | 100.0 |
| 2025年度 | 2.0 | - | - |
| 2026年度 | 2.0 | - | - |
CCSの実用化を目指して、大規模CO2圧入・貯留に係る安全管理、貯留層の有効圧入・利用技術の開発を行い、CCS普及条件・基準のを備し、CCS事業者のための参考マニュアルとしてCO2地中貯留に関する技術情報や事例をとりまとめる。
測定指標:プロジェクトの年度毎の進捗率(単位:%)配分設定は以下の通り。①大規模CO2圧入・貯留の安全管理技術の確立:50%②大規模貯留層の有効圧入・利用技術の確立:30%③CCS普及条件の整備、基準の整備(CO2貯留技術事例集の作成等):20%[単位: %]
| 年度 | 目標値 | 実績値 | 達成率 |
|---|---|---|---|
| 2022年度 | 70.0 | 70.0 | 100.0 |
| 2023年度 | 80.0 | 80.0 | 100.0 |
| 2024年度 | 85.0 | 85.0 | 100.0 |
| 2025年度 | 90.0 | - | - |
| 2026年度 | 100.0 | - | - |
※ 2020〜2026年度のデータあり(直近5年度を表示)
CO2船舶輸送実証におけるCO2輸送、地上設備の運転並びに評価を行い、液化CO2の長距離・大量輸送に係る、安全規格、設計基準等の整備に必要となる解析および実証試験データを収集する。
測定指標:CO2船舶および陸上設備を用いた液化CO2輸送の実証試験の実施回数[単位: 回]
| 年度 | 目標値 | 実績値 | 達成率 |
|---|---|---|---|
| 2023年度 | 1.0 | 1.0 | 100.0 |
| 2024年度 | 15.0 | 16.0 | 106.66667 |
| 2025年度 | 26.0 | - | - |
| 2026年度 | 26.0 | - | - |
CCUS関連の国際機関と連携のうえ国際動向を把握するとともに、CCS実施に係る国際基準策定に関わる議論を先導し、国際競争上不利にならない国際標準の整備・策定に向けた活動に取り組む。
測定指標:国際会議やCCUSに関わるISO規格の整備に係る検討会等への参画回数[単位: 回]
| 年度 | 目標値 | 実績値 | 達成率 |
|---|---|---|---|
| 2022年度 | 49.0 | 206.0 | 420.40816 |
| 2023年度 | 29.0 | 29.0 | 100.0 |
| 2024年度 | 40.0 | 41.0 | 102.5 |
| 2025年度 | 40.0 | - | - |
| 2026年度 | 40.0 | - | - |
※ 2020〜2026年度のデータあり(直近5年度を表示)
※ アクティビティ(活動の記述)4件は省略しています
| 12.5億円 |
| CCUS普及に向けた国際機関等との連携・調査に関する業務委託 | 1.4億円 |
日本CCS調査株式会社
船舶輸送に関する技術開発及び実証試験
| 費目 | 金額 |
|---|---|
| 機械装置等制作・購入費 | 23.7億円 |
| 消費税及び地方消費税 | 3.5億円 |
| 労務費 | 3.2億円 |
| 間接経費 | 3.2億円 |
| 消耗品費 | 2.2億円 |
| 外注費 | 1.1億円 |
| 諸経費 | 8,300万円 |
| 再委託費 | 6,500万円 |
| 旅費 | 2,870万円 |
| 保守・改造修理費 | 2,030万円 |
日本CCS調査株式会社
苫小牧における大規模実証試験にかかる研究開発
| 費目 | 金額 |
|---|---|
| 外注費 | 11.5億円 |
| 労務費 | 4.1億円 |
| 保守・改造修理費 | 3.0億円 |
| 消費税及び地方消費税 | 2.3億円 |
| 間接経費 | 2.1億円 |
| 諸経費 | 2.1億円 |
| 旅費 | 2,370万円 |
| 消耗品費 | 860万円 |
二酸化炭素地中貯留技術研究組合
安全なCCS実施のためのCO2貯留技術の研究開発
| 費目 | 金額 |
|---|---|
| 外注費 | 5.4億円 |
| 労務費 | 2.8億円 |
| 消費税及び地方消費税 | 1.1億円 |
| 間接経費 | 1.0億円 |
| 旅費 | 6,480万円 |
| 諸経費 | 5,810万円 |
| 保守・改造修理費 | 3,670万円 |
| 機械装置等制作・購入費 | 2,700万円 |
| 再委託費 | 2,000万円 |
| 消耗品費 | 880万円 |
株式会社地球科学総合研究所
微小振動自然地震モニタリングデータ総合解析、モニタリングシステムの維持管理ほか
| 費目 | 金額 |
|---|---|
| 労務費 | 4.3億円 |
| 保守・改造修理費 | 1,000万円 |
公益財団法人地球環境産業技術研究機構
CCUS普及に向けた国際機関等との連携・調査
| 費目 | 金額 |
|---|---|
| 労務費 | 4,880万円 |
| 諸経費 | 3,870万円 |
| 旅費 | 2,560万円 |
| 消費税及び地方消費税 | 1,320万円 |
| 間接経費 | 1,200万円 |
| 外注費 | 670万円 |
株式会社関電パワーテック
液化 CO2輸送技術の実証試験の計画および実施
| 費目 | 金額 |
|---|---|
| 労務費 | 5,670万円 |
| 消費税及び地方消費税 | 650万円 |
| 間接経費 | 590万円 |
| 旅費 | 230万円 |
| 諸経費 | 10万円 |
| 消耗品 | - |
国立研究開発法人産業技術総合研究所
重力モニタリング現場観測作業、解析作業、試験データ集計・整理等
| 費目 | 金額 |
|---|---|
| 労務費 | 550万円 |
| 外注費 | 430万円 |
| 備品費 | 360万円 |
| 消耗品費 | 200万円 |
| 消費税及び地方消費税 | 200万円 |
| 間接経費 | 180万円 |
| 諸経費 | 140万円 |
| 旅費 | 140万円 |
株式会社関電パワーテックほか
9,570万円船舶輸送に関する技術開発及び実証試験、液化CO2輸送技術の事業/化に関する調査
株式会社関電パワーテック
国立大学法人お茶の水女子大学
川崎汽船株式会社
苫小牧における大規模実証試験に係る研究開発
株式会社地球科学総合研究所
株式会社物理計測コンサルタント
出光エンジニアリング株式会社
一般財団法人海洋生物環境研究所
北海道電力株式会社
出光興産株式会社
石油資源開発株式会社
一般財団法人地球環境産業技術研究機構
北海道企業局
GLOBAL CARBON CAPTURE AND STORAGE INSTITUTE LTD
安全なCCS実施のためのCO2貯留技術の研究開発
国立研究開発法人産業技術総合研究所